悠久のひととき

第零夜

"感動"は"現地"にある

”感動”は”現地”にある

世に溢れる感動コンテンツ

あらゆる事柄が検索すれば引っ掛かってくる時代。人生において大切な“感動”もデータベース化が進んでいます。あらゆるデータがインターネット上に蓄積され、手の届くところに、感動が無数に控えています。今やお茶の間には感動コンテンツが溢れています。

”実際に”体験した感動は素晴らしい

しかし、その一方で私達は“実際に”体験した感動の素晴らしさを知っています。3D映画を初めて映画館で見たときの感動。プロジェクションマッピングを初めて見た時の感動。映像技術の世界でも、お茶の間やスマホでは再現できない感動が出現しています。新体験の感動というのは往々にして、手の届かないところにあります。
総じて我々の手のひらにある情報は、無限にあるように見えて実は限定的です。3Dの世界は2Dでは再現できないし、アナログの世界はデジタルでは再現できません。インターネットでは決して見つからない情報も存在するのです。
ネットやテレビの批判をしたいわけではありません。我々は、生きていて、感動するから素晴らしいのです。ただその手段はネットやテレビ以外にも無数に広がっています。
人生であと何回息をのむ瞬間があるのでしょうか。このサイトが感動へとつながる一助となればと思っています。ただただ、現地に行くことをお勧めします。

私の感動した出来事

私が感動した一つの出来事をご紹介します。
それは、冬の北海道へ流氷を見に行った時のことです。
北海道の大自然はやはり圧倒的な存在感でした。北浜駅には流氷が押し寄せており、海岸は切り絵のようにそれぞれ異なる白色が重なり合っていました。雪、雲、霧、列車そして流氷。どこまでが砂浜で、どこからが海なのか。踏みしめたものは砂浜の雪なのか、それとも流氷なのか。境がわからぬほど厚い流氷が大量に押し寄せていました。ここから海の上を歩いて行けるのです。私は、1メートル、2メートルと恐るおそる海の上へ足を踏み入れました。このままただ氷の上を歩き、果てしない先まで行くこともできます。遥か昔の幻想録のような光景が、ここオホーツク海では現実として目の前に広がっていました。言い尽くせない壮大な流氷の広がり、まるで大陸と陸続きのような錯覚、それが現実として流氷となってここから見える水平線まで続いていました。
渡りたい、渡って行きたい。冒険心を掻き立てる陸地の続き。しわくちゃになって浮いている氷のかたまり。海の向こうへ行くなら飛行機の方が安全だなんて笑われるかもしれませんが、この共有できない、検索しても出てこない感動が心に湧き上がって仕方ありませんでした。20代後半の私に、まだイノセンスが残っていることを、この時初めて知りました。人生であと何回息をのむ瞬間があるのでしょうか。

明るくなったら旅立ちを。

この旅で私が見つけた日本の断片には、あふれるくらいの感動をもたらす自然がありました。私たちが生活するすぐ傍の外周には、いつも癒しが待っています。待っているはずです。
大陸と切り離された日本人には、国内でしか心を打つことのできない感動があるのではないでしょうか。海外にある価値を認めつつも、日本人のDNAに植えられた感動の琴線があるのではないでしょうか。今日より明日が良くなると信じて、あきらめてはいけません。
世の中が明るくなったなら旅立ちを。旅は感動コンテンツです。

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このページの 著者 ライター 悠久のライター
チャーリー Charlie
CEO
まずうまい研究家。旅をこよなく愛し、旅を栖とする三十路過ぎです。
止まぬ漂泊の思いは永遠にめぐり続けます。
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